苺のジャム


Strawberry Jam 


旬の果物のジャム作りは日々の暮らしの楽しみの一つです。
苺に砂糖をまぶして、お鍋でコトコト、キッチンに広がる甘酸っぱい香りに春の訪れを感じます。
苺の果汁をゆっくりと引き出し、煮詰めずに苺の中まで糖分を浸透させて作るこのジャムは、苺の粒の形そのまま、美しい色のシロップに仕上がります。小粒の苺を見つけたら、ぜひつくって見てください。

苺について
苺の旬は3月〜5月。12月頃からクリスマスケーキ用にと店頭で見かけますが、本来の旬は春です。旬も終わりに近づく頃になると、小粒の苺が出回り始めます。価格も手ごろで、贅沢に使えるこの季節が苺ジャムを作るタイミング。熟した苺を見分けるには、種の色を見てください。種が実と同じように赤くなっていたら完熟です。

材料 | INGREDIENTS
・苺(小粒) 500g(約2パック)
・グラニュー糖または上白糖 250g
・レモン汁 小さじ1

1. 苺は水で洗わず、ヘタをカットします。
◇ 苺を水で洗うと、苺が水分を吸って水っぽくなります。どうしても汚れが気になる方は洗っても大丈夫です。同じように作れます。

2. 苺の表面をキッチンペーパーでやさしく拭き、鍋に入れます。
◇ ジャムを煮る鍋は保温性の高い琺瑯鍋がおすすめです。ステンレス鍋でも作れます。アルミ鍋は苺の色が悪くなることがあるのでおすすめしません。

3. 砂糖の半量を加えて、さっと混ぜ合わせます。

4. レモン汁を加えて混ぜたら蓋をして、そのまま2時間、常温に置きます。

5. 2時間経つと砂糖が溶け、苺の水分が少し出てきます。

6. ざっと混ぜ合わせたら、キッチンペーパーで紙蓋をします。
◇ 紙蓋にするキッチンペーパーは吸水性の高くないものが良いです。吸水性が高いとキッチンペーパーがシロップをたくさん吸ってもったいないので。。。
紙蓋をすると浮いている苺の表面も乾かず、さらに紙蓋はアクも吸ってくれるので、手間も省けます。

7. 蓋をして、ごく弱火にかけます。
POINT. 
蓋をして蒸し煮にします。
できるだけ弱火でゆっくりゆっくり火を入れながら、苺の果汁を引き出します。

8. 10〜15分くらいするとフツフツと沸騰してきます。そこからさらに15分、同じように紙蓋と蓋をしてごく弱火で煮ます。

9. 15分経つと、苺の果汁たっぷりのシロップに。

10. 火を止めて、残りの砂糖を加えます。ざっと混ぜ合わせたら、同じように紙蓋と蓋をしてごく弱火でさらに15分煮ます。

11. 先ほどより色鮮やかに。。。
火を止めて、そのまま冷まします。

<保存について>
密閉容器や瓶に入れて、冷蔵庫で2週間ほど日持ちします。
長期保存したい時は、煮沸消毒やアルコール消毒した瓶に入れ、苺の実がシロップに浸っている状態できっちりと蓋をします。この状態ですと2ヶ月ほど冷蔵保存できます。


Q & A


Q. グラニュー糖と上白糖の違いはありますか?

A. グラニュー糖は精製度が高いため、クセがなく淡白なので素材の味を邪魔せず甘みをつけることができます。上白糖はグラニュー糖に比べて甘みが強く、コクがある仕上がりに。同じ分量で使用できるので、お好みでどうぞ。

Q. 砂糖の量を減らしても良いですか?

A. ジャムを作る際にたくさんの砂糖を入れるのは日持ちをさせるためです。それほど日持ちを気にせず、作ってすぐに食べてしまうのであれば砂糖は減らしても問題ありません。また、砂糖は色を鮮やかにする作用もあります。砂糖を減らすとジャムの色は少し鮮やかさを欠きます。

Q. なぜ砂糖を2回に分けて加えるのですか?

A. 冷蔵庫がなかった時代、砂糖は食料を保存するために欠かせないものでした。砂糖に果物をつけると、果物の中の水分が引き出され(浸透圧)、カビや腐敗を防ぐことができるからです。砂糖を分けて加えるのは、シロップの濃度を少しずつ濃くして、果物の中の水分をできるだけ外に出し、糖分を果物の中に入れるためです。苺の中に水分が残っているとジャムが悪くなりやすいので、蓋をしてしっかりと苺の中まで火を通すことも大切です。

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