タルト オ ポム(りんごのパイ)


Tarete aux pommes


Tarete aux pommes(タルト オ ポム)はパリのカフェの定番のデザート。
パイ生地にアーモンドクリームをのせ、薄くスライスしたりんごを重ねて焼くアップルパイです。
ポイントはりんごのスライスをできるだけ薄く、たくさん重ねること。
そして、美味しさのもう一つのポイントは手づくりのパイ生地。パイ生地はフードプロセッサーを使って家庭でも簡単に作れます。その生地を畳めば簡単折り込みパイに。
作る工程は多いように思えますが、1つ1つの作業は簡単です。あらからじめパイ生地とアーモンドクリームを仕込んでおけば、食べたい時にさっとつくれます。

サクッとしたパイ生地に、りんごの酸味。薄地の軽い食感が後を引きます。
温かいお菓子は家庭のでしか味わえない美味しさがあります。心も温かくなるりんごのパイ。りんごの季節になると必ず作る定番レシピです。焼き立てをどうぞ。

りんごについて

寒い季節の果物のイメージがあるりんごですが、旬は8月下旬〜12月末頃。たくさんの品種あるので時期とともに種類が入れ替わり、長い期間楽しむことができます。
8月~9月は早生種の「つがる」や「シナノレッド」、10月〜11月は中生種の「ジョナゴールド」、日本で最も多く生産される「ふじ」は11月〜12月の晩生種です。
お菓子のよく使われる「紅玉」は、小ぶりで真っ赤な皮が特徴。実が固く、酸味が強いので欧米の品種に近く、洋菓子によく合います。旬は意外と早く、10月〜11月中旬。冬になりそろそろりんごのお菓子でもと思う頃にはなくなってしまうのでご注意を。
お菓子づくりには紅玉が良いと言われますが、どのりんごを使っても美味しくつくれます。

材料 | INGREDIENTS 
直径約21cm 1台分
【パイ生地】
・無塩バター 50g(1cm角にカット)
・強力粉 25g(なければ薄力粉でもOK)
・薄力粉 25g
・水 20ml
・グラニュー糖 2g
・塩 ひとつまみ
※ 全ての材料(水、グラニュー糖、塩は合わせてよく混ぜる)を冷蔵庫で30分ほど冷やしておきます。

【アーモンドクリーム】
・無塩バター 20g(常温に戻す)
・グラニュー糖 20g
・溶き卵 20g(常温に戻す)
・アーモンドパウダー 20g
・ラム酒 小さじ1(お好みで)

【フィリング】
・りんご 1個
・ブラウンシュガー(またはきび糖)適量
・無塩バター 10g(5mm角にカット)
・シナモンパウダー 適宜
・溶き卵 適量

【アプリコットナパージュ】
・あんずジャム 大さじ1
・ラム酒 小さじ1/2

◇ パイ生地とアーモンドクリームは一晩休ませます。

【パイ生地】
1. 無塩バター、強力粉、薄力粉をフードプロセッサーに入れます。
◇ 冷やす理由はページ下のQ&Aをご覧ください。

2. バターがあずき粒くらいの大きさになるまでかけます。

3. 水、グラニュー糖、塩を加えます。

4. 生地がひとまとまりになるまで混ぜます。

5. ラップに包み、冷蔵庫で一晩休ませます。
◇ ラップに包んだ状態で冷蔵庫で1週間、冷凍庫で1ヶ月ほど保存できます。

【アーモンドクリーム】
1. 
室温に戻しておいた無塩バターをホイッパーでクリーム状にします。
◇ 室温に戻しておいてもバターが固い時は >>>

2. グラニュー糖を加えてすり混ぜます。

3. 溶き卵を少しずつ加えて混ぜます。

4. アーモンドパウダーをふるって加えます。

5. 全体が馴染むようにすり混ぜます。

5. お好みでラム酒を加えて混ぜます。

6. ラップに包み冷蔵庫で一晩休ませます。
◇ アーモンドクリームは休ませないでもそのまま使えますが、休ませたほうが生地がなじみ美味しく仕上がります。
◇ ラップに包んだ状態で冷蔵庫で1週間、冷凍庫で1ヶ月ほど保存できます。

【パイ生地を伸ばします】
1.
台や製菓用キャンバスに打粉(強力粉)をして生地をのせます。

2. パイ生地を折り込みます。
[1]
麺棒で長方形に伸ばします。(横 1:縦 3くらい)
[2]手前を1/3折ります。
[3]奥から1/3折り、三つ折りにします。
[4]90度回転させます。
[5]裏返します。
[1]〜[5]を3回繰り返します。

3. 直径21cmよりひとまわり大きく伸ばします。バットや天板などにのせて冷蔵庫で30分休ませます。

4. 丸型やタルト型の底や、皿などを当てて直径約21cmに丸くカットします。
◇ 仕上がりの形が気にならなければカットせずにラフにつくっても良いです。

5. オーブンシートを敷いた天板にのせます。


オーブンを190°Cに予熱しておきます

【フィリング】
1.
りんごは4等分にカットし、芯を取って、扇形に薄くカットします。

2. アーモンドクリームを中心にのせ、中心が高くなるように端から3〜5cm内側に広げます。

3. パイ生地に焼き色をつけるために、まわりに溶き卵を塗ります。

4. アーモンドクリームを覆うように外側からりんごを並べます。
◇ 幅の広いりんごを外側に、中心に向かって少しずつ小さめのりんごを並べていくと綺麗に仕上がります。

5. ブラウンシュガーを全体にふるいます。

6. 無塩バターを適当な場所にのせ、シナモンパウダーをふりかけます。
190℃に予熱したオーブンで45分焼きます。
◇ オーブンが2段の場合は最初の30分は下段で、残りの15分は上段で焼きます。

【アプリコットナパージュ】
焼き上がる2〜3分前になったら作り始めます。

1. 小さな鍋に材料を入れ、中火にかけます。ヘラで混ぜならが沸騰させます。

2. 焼き上がったらオーブンから取り出し、焼きたてに熱いアプリコットナパージュを塗ります。
◇ 熱いパイに熱いナパージュを塗ると、表面が乾き、冷めてもベタベタしません。

焼き立てを切り分けてどうぞ。アイスクリームを添えればパリのカフェ風のデザートに。


Q & A


Q. パイ生地の材料を冷やしておく理由は?

A. 粉の中でバターを粉状にするとサックっとした仕上がりになります。作業中にバターを溶かさないために、すべての材料を冷やしておくのです。バターが溶けてしまうとベサクッとしたパイに仕上がりません。

Q. パイ生地作りにフードプロセッサーを使う理由は?

A. フードプロセッサーは回転しながら材料を細かくカットするマシンです。バターを手で触らずに細かくカットできるので、バターが溶ける心配がありません。失敗なく均一につくれることと、暑い季節でも手軽に生地ができるのでおすすめです。フードプロセッサーはスコーン、サブレの生地づくりにも活躍します。


Q. パイ生地に強力粉と薄力粉を使うのはなぜ?

A. 強力粉と薄力粉は同じ小麦粉ですが、含まれるタンパク質の量が違います。
強力粉は硬く、薄力粉は柔らかい生地に仕上がります。パイ生地は薄力粉だけでも作れますが、強力粉を入れることでしっかり、パリッとしたパイに焼き上がります。強力粉、薄力粉、どちらかしかない場合はそれぞれ代用できますが、仕上がりの食感が少し変わってきます。


Q. パイ生地を伸ばすと時の打粉はなぜ強力粉なのですか? 薄力粉を打粉にしても良いですか?

A. 強力粉と薄力粉は粒子の細かさが違います。
強力粉は硬めの小麦を挽いたもので、粒子が粗めでサラサラしていて生地にくっつきにくいので、打粉に向いています。小麦粉は軟らかめ軟らかめの小麦を挽いたもので、粒が細かくしっとりとしています。強力粉に比べ、打粉にすると生地にくっつきやすいですが、強力粉がない場合は、薄力粉で代用しても問題ありません。

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