マーマレード


Marmalade


フルーツをたっぷりの砂糖で煮て長く保存できるようにつくられたジャム。季節ごとにさまざまな果物でのジャムづくりを楽しめます。
なかでも柑橘の皮を使ったものだけを「マーマレード」と呼ぶことを、子供の頃から気になっていました。数年前に読んだ柑橘の歴史の本に「ジャム(jam)はもともとはあんずジャムのことを指していた」と書かれていました。ヨーロッパでも柑橘の実がなるはベネチアあたりまで。そこより北のヨーロッパは寒く、柑橘が育たない気候。色鮮やかな柑橘はヨーロッパの人々にとって特別なものに見えたのかもしれないと、思い馳せました。
柑橘の旬は冬。マーマレードを煮る鍋から香る爽やかな香りと、暖かな空気が、ゆったりと心をあたためてくれます。

このレシピは皮、果肉、果汁、オレンジ丸ごとすべて入った贅沢なマーマレード。美味しくつくるには3日を要しますが、1日の作業はそれほど手間はかかりません。旬の季節にたくさんつくって、冷蔵庫で一年間保存できます。少しずつ皮にシロップが馴染み、熟成していく味わいも楽しめます。

材料 | INGREDIENTS
・オレンジ 4〜5個
・グラニュー糖または上白糖 500g

オレンジについて
オレンジは1年中手に入りますが、国産の旬は1~3月。ほとんどがネーブルオレンジです。旬の季節は無農薬・低農薬のものが手に入りやすく、私はこの季節に瀬戸内の柑橘農家さんより取り寄せてつくります。ネーブルオレンジは甘味酸味のバランスが良く、味が濃く、おへそがあるのが特徴です。バレンシアオレンジより皮が薄いネーブルオレンジはマーマレードづくりにおすすめです。

<1日目>

1. オレンジの上下をカットします。ナイフで5箇所ほど筋をつけ、手で皮を向きます。

2. オレンジの皮を千切りにします。

3. 大きめのボウルに皮を入れ、たっぷりの水を注ぎます。

4. 浮いている皮が乾かないようにキッチンペーパーで紙蓋をします。一晩(12時間ほど)常温に置いてアク抜きをします。

5. オレンジの果肉を取り出します。
白いワタをナイフでそぎ取り、房の薄皮に沿って左右にナイフを入れて取り出します。

◇ 煮ている間に果肉は崩れるので、上記の取り出し方が難しければ、手で薄皮をむいてください。

6. 果肉は2日目に使います。それまで冷蔵庫で保存しておきます。

7. 薄皮に果肉がたくさんついていたら、果汁を絞ります。果汁も2日目に使うので、冷蔵庫で保存しておきます。

<2日目>

8. 皮の煮沸消毒をします。
皮をざるにあげて水気を切り、鍋に入れます。皮にかぶるくらいの水を入れて中火にかけ、煮立ったらすぐにざるにあげて、ゆで汁を切ります。

◇ マーマレードをつくるときの鍋は保温性の高い琺瑯鍋がおすすめです。ステンレス鍋でもつくれます。アルミ鍋は皮の色が悪くなることがあるのでおすすめしません。

9. 鍋に皮を戻し、とっておいた果肉とグラニュー糖の半量(250g)を入れます。

10. 取っておいた果汁に水を加えて250mlにし、鍋に注ぎます。

11. 中火にかけます。

12. 鍋肌がフツフツとしたきたら、ごく弱火にします。キッチンペーパーで紙蓋をして、1時間煮ます。

◇ 紙蓋にするキッチンペーパーは吸水性の高くないものが良いです。吸水性が高いとキッチンペーパーがシロップをたくさん吸ってしまうので。。。

POINT
マーマレーを上手に煮るポイントは火加減です。できるだけ弱火で、ゆっくりゆっくり火を入れます。火が強いと、シロップが煮詰まって皮が固くなってしまいます。
また、煮ている途中ではあまり混ぜない方が良いです。皮が破れたり、シロップが濁ってしまいます。砂糖が沈んで溶け残っている場合は、ゴムベラなどで軽く、やさしく混ぜてください。

13. 1時間煮たら、紙蓋をしたまま蓋をして、常温で一晩(12時間ほど)冷まします。

◇ 冷ましている間に皮に糖分が浸透していきます。しっかり休ませることも大切です。

<3日目>

14. 鍋を中火にかけ、鍋肌がフツフツとしてきたらごく弱火にします。
残りのグラニュー糖(250g)を加え、ゴムベラでさっとやさしく混ぜます。

15. キッチンペーパーで紙蓋をして、30分煮ます。

◇ 煮詰まらないようにごく弱火で。火加減に注意してください。

16. 紙蓋をしたまま蓋をして、常温で一晩(12時間ほど)冷まします。

マーマレードの出来上がりです。
オレンジの個体差があるので、味見をして甘さをしめたければ好みでレモン汁を加えます。

<保存について>
 
密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。
長期保存したい場合は、煮沸消毒またはアルコール消毒した小さめの瓶に小分けにして保存するとよいです。

パン・ド・カンパーニュにクリームチーズを塗って、マーマレードをのせて食べるのがお気に入り。果肉もたっぷり入ったフレッシュな味わいがよく合います。自家製ならたっぷりのせて贅沢にいただけます。


Q & A


Q. オレンジ以外の柑橘でもつくれますか?

A. 夏みかん、甘夏、ゆず、文旦、などでも同じように作れます。皮の厚みや固さはそれぞれ違うので、煮る時間を調整してください。

Q. 上白糖、グラニュー糖以外の砂糖を使っても良いですか?

A. 三温糖やきび糖などでも同じように作れますが、仕上がりの味が変わります。
上白糖、グラニュー糖はクセがなく、オレンジの味と香りが引き立つので使用しています。

Q. 2倍の量でつくりたいのですが、砂糖も倍量必要ですか?

A. 2倍量つくる場合に、砂糖は倍量必要ありません。
工程10.で鍋に皮を入れ、果汁+水を計量しながら、皮にひたひたになるまで注ぎます。果汁+水の分量の2倍の砂糖を使用します。
果汁+水 500ml = 砂糖1kg(2回に分けて加えるので、1回は500g)
シロップの糖度が重要です。

Q. スパイスを入れてアレンジしてもよいですか?

A. 柑橘にはシナモン、アニス、カルダモンなどがよく合います。工程11.でホールのスパイスを加えてください。パウダー状のスパイスを使う場合は、不織布の袋などに入れて加えます。そのまま入れてしまうと、シロップがザラザラしたジャムになってしまい食感が悪くなります。

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