桜餅


Sakura mochi


東京の街は、春の訪れとともに桜色に染まります。
待ちわびた春の喜びが溢れるかのように一斉に咲き誇り、桜の花びらが舞う美しさに心奪われます。

春を告げる和菓子『桜餅』は東京生まれのお菓子。江戸時代に桜の名所でもあった墨田川の土手の桜の葉を塩漬けにし、餡をくるんだ焼き皮に包んで売ったことが始まりだとか。
桜餅に使われている葉は、大島桜の葉です。若葉と同時に白い花をつける大島桜が咲く風景は、今の時代の隅田川に咲くソメイヨシノとは違っていたことに思い巡らせます。

発祥の桜餅は薄くといた小麦粉を使った焼き皮ですが、はんなりとした道明寺粉でつくる桜餅が私の定番です。道明寺粉粉は和菓子屋さんでは蒸して使いますが、家庭では使う量も少ないので手軽にお鍋ひとつで作れます。
餡を包んで桜の葉を巻くと、ふわっと香る瑞々しい匂い。季節の手土産に、そして箱に詰めてお花見にと、春到来の喜びを感じる和菓子です。

材料 | INGREDIENTS 
10個分

<道明寺餅>
・道明寺粉 150g
・上白糖 70g
・水 280ml
・食紅 少量

<餡>
・さらし餡 25g
・上白糖 40g
・塩 ひとつまみ
・水 70ml
◇ 餡は市販のこし餡(100g)で代用できます。

・桜の葉の塩漬け 10枚

<道明寺餅>
1. 
小鍋に水(280ml)を入れ、上白糖を加えてざっと混ぜます。

2. 中火にかけてしっかりと沸騰させ、砂糖が溶けたら火を止めます。

3. 小さな容器に食紅を耳かき半量くらい入れ、 2〜3滴の水でときます。
◇ 食紅は少量でも濃い色が付くので、使う量はほんの少量にします。

4. 水で溶いた食紅を少し加えて混ぜます。少しずつ色を見ながら追加して、色を調整します。

5. 道明寺粉を加えてゴムべらで混ぜます。

5. ごく弱火にかけます。

5. かき混ぜながら5分煮ます。

6.  ラップを密着させて40分〜1時間くらい、蒸らしながら冷まします。

<餡>
7.
小鍋に水(70ml)を入れ、上白糖、塩、さらし餡を加えます。

8. ゴムベラでざっと混ぜて、中火にかけます。

9. 水気っぽさがなくなり、艶が出るまで練り上げます。

10. バットに移し、冷まします。

11. 桜葉の塩漬けは水洗いし、キッチンペーパーで水気を切っておきます。

12. 道明寺餅、餡を10等分して、丸めます。
◇ 道明寺餅はつきやすいので、手のひらに水(分量外)をつけて作業します。

13. 道明寺餅を楕円に広げ、餡をのせて包みます。
◇ 写真は板の上で作業していますが、水で濡らした手の上で作業すると成形しやすいです。

14. 桜葉に[13]をのせます。

15. 桜葉をかぶせて包みます。

<保存について>
ラップフィルムや食品用OPPシートなどで空気に直接触れないように包んでおくと、3〜5日ほど柔らかく美味しくいただけます。常温で保存してください。


Q & A


Q. さらし餡とは?

A. 砂糖を入れずに小豆だけで作った生を乾燥させて粉末状にしたものです。砂糖と水を加えて練り上げて餡を作れます。少量の餡を使う場合に便利です。また砂糖の量を調整できるので、好みの甘さの餡を作れます。乾燥しているので日持ちがするので常備しておく良いです。練り餡だけでなく、おしるこ等にも重宝します。

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