レモンタルト

お菓子

Tartelette au Citoron


目を奪われるような鮮やかな黄色、透明感のある爽やかな香り。
レモンのお菓子はどの季節でも美味しけれど、心惹かれるのはなぜか初夏のように感じます。

Tartelette au Citoron(タルトレット・オ・シトロン)はフランスのパティスリーには必ず置いてある定番のお菓子のひとつ。フランスのレモンの産地、南仏コート・ダジュールにある街「マントン」では、毎年2月〜3月にかけてレモンが香り高く実ります。ぎゅっと絞った酸っぱい果汁と、すりおろした皮の香りのクリームを詰め込んだレモンタルトは、街中のレストランやカフェ、家庭で広く愛され続けています。

日本のコート・ダジュール 瀬戸内もマントンと同じ季節にレモンが旬を迎えます。
旬の季節の無農薬レモンで作るお菓子は、やはりレモンタルト。カットせずに食べられるタルトレット(小さめのタルト)にして、柔らかなレモンクリームを流し入れます。つめたく冷やすと、キリッとした酸味が引き立ちます。
パリのパティスリーのようなメレンゲやクリームのデコレーションも素敵ですが、家庭ではシンプルにレモンクリームのみにしています。レモンの魅力を存分に味わえるタルトです。

レモンクリームはパンに塗っても美味しくいただけます。
良いレモンが手に入った時は、レモンクリームをたっぷり作って保存瓶に入れておけば2週間ほど日持ちします。

レモンタルト レシピ|Tartelette au Citoron recipe|eat at home jp

レモンについて
レモンは夏のイメージがありますが、実は旬の季節は冬。国産のレモンは、5月頃に白い花が咲き、10月頃から香りの良いグリーンレモンの出荷が始まります。黄色く色づくのは1月頃。最盛期の2月〜3月には実も大きくなり、果汁もたっぷり。
旬の季節は無農薬のレモンが手に入りやすいので、皮まで使って香り豊かに仕上げるレモンのお菓子を楽しめます。

レモンタルト レシピ|Tartelette au Citoron recipe|eat at home jp
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材料 | INGREDIENTS
直径7cm タルトリング 8台分

【タルト生地】
無塩バター 60g(常温に戻す)
・粉砂糖(またはグラニュー糖、上白糖)30g
20g(常温に戻す)
・薄力粉 40g
・強力粉(または薄力粉) 40g
・アーモンドパウダー 20g

【タルト生地】
無塩バター 30g(常温に戻す)
・粉砂糖(またはグラニュー糖、上白糖)30g
30g(常温に戻す)
・アーモンドパウダー 30g

【レモンクリーム】
90g(約1.5個分)
・グラニュー糖(または上白糖)80g
・薄力粉 5g
・レモンの皮(すりおろし) 1個分
・レモン汁 1個分(40〜50ml)
無塩バター 40g(適当なサイズにカット)

◇ タルト生地とアーモンドクリームは冷蔵庫で一晩休ませます。
◇ アーモンドクリームはタルト生地が膨らんで焼き上がるのを防ぐの重石の役割もあります。アーモンドクリームを入れない場合は、タルトストーンなど重石を置いて焼くこともできます。

おすすめのアイテム
コクがあるのに癖がない美味しさで、焼き菓子の風味を引き立てます。
発酵バターを使って作るとお菓子がワンランク上の美味しさに!トーストに塗っても美味しいです。
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型について
今回は直径7cmのタルトリングを使っています。タルトリングは生地が天板に直接当たるので、しっかりと焼き上がります。焼き目も美味しく仕上がるのでおすすめなのですが、プロ用の道具ですので高価です。

レモンタルトはどんな型でも作れます。お持ちの型で作ってみてください。
直径18cmほどの大きめの型でも作れますが、このレシピはレモンクリームが柔らかく、カットしずらいので、直径7〜10cmほどの底のあるタルト型が作りやすく、食べやすいです。

タルト型は下準備なくそのまま使えます。バターや油を塗って下準備をする必要はありません。
使い終わったら、キッチンペーパーで拭いてから片付けます。油分を馴染ませることで、型離れの良い型になっていきます。


タルト生地

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タルト生地を作ります
1. 室温に戻しておいた無塩バターをホイッパーでクリーム状にします。
◇ 室温に戻しておいてもバターが固い時は >>>

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2. 粉砂糖をふるい入れ、ホイッパーですり混ぜます。

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3. 卵を少し加えては、ホイッパーで混ぜます。

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4. 薄力粉、強力粉、アーモンドパウダーを合わせてふるい入れます。

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5. ゴムベラで粉気がなくなるまで混ぜます。

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6. ラップに移してひとまとめにしたら、冷蔵庫で一晩休ませます。
◇ ラップに包んだ状態で冷蔵庫で1週間、冷凍庫で1ヶ月ほど保存できます。

 


アーモンドクリーム

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アーモンドクリームを作ります
1. 室温に戻しておいた無塩バターをホイッパーでクリーム状にします。
◇ 室温に戻しておいてもバターが固い時は >>>

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2. 粉砂糖をふるい入れ、ホイッパーですり混ぜます。

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3. 卵を少し加えては、ホイッパーで混ぜます。

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4. アーモンドパウダーをふるい入れ、粉気がなくなるまで混ぜ合わせます。
◇ アーモンドパウダーはグルテンがないので、ホイッパーで混ぜても良いです。

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5. ラップに移してひとまとめにしたら、冷蔵庫で一晩休ませます。
◇ アーモンドクリームは休ませないでもそのまま使えますが、休ませたほうが生地がなじみ美味しく仕上がります。
◇ ラップに包んだ状態で冷蔵庫で1週間、冷凍庫で1ヶ月ほど保存できます。

 


タルト型に生地を敷き込みます

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タルトを伸ばして、型に敷き込みます
1. 台や製菓用キャンバスに打粉(強力粉)をします。
型よりひとまわり大きいセルクルや丸型があると便利です。今回は直径10cmのセルクルを使います。

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2. 休ませておいた生地をナイフで適当な大きさにカットします。
指で押してこなしたら(フラゼしたら)、再び生地をひとまとめにします。
◇ この作業をすることで、伸ばす際に生地が割れてしまうのを防げます。 
◇ 気温の高い季節は、生地がダレやすいので手早く作業します。

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3. 麺棒に打粉をまぶし、生地にのせてグッグッと押して広げます。伸ばしやすい厚さになるまでこの作業をします。

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4. 生地を回転・反転させながら、3mm厚みに伸ばします。
◇ 3mmバールを左右に置いて綿棒で伸ばすと均等に整えられます。バールがなければ3mmくらいの高さのもの(同じ高さの本など)両側において伸ばしても良いです。

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5. タルト型よりひとまわり大きく生地を抜きます。
◇ 抜き型がなければ、ナイフでタルト型よりひとまわり大きく四角にカットしても良いです。

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6. 生地の打粉のついていない面をタルト型に沿うように敷き込みます。
底と側面の角になる部分をしっかりと沿わせて敷き込むと綺麗に仕上がります。

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7. 麺棒を転がして余分な生地を外します。

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8. フォークで穴を開けて(ピケ)、オーブンシートを敷いたバットにのせて冷蔵庫で30分休ませます。


レモンクリーム

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1. レモンの皮をすりおろし、果汁を絞っておきます。

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2. ボウルに卵をときほぐし、グラニュー糖をすり混ぜます。

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3. 薄力粉をふるい入れ、粉気がなくなるまでよく混ぜます。

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4. レモン汁を加えて混ぜます。

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5. 小鍋に移し、中火にかけます。とろみがつくまでヘラで絶えず混ぜ続けます。
とろみがついてきたら弱火にします。底からボコッと沸騰してきたら30秒混ぜ続け、火を止めます。
◇ 沸騰してから混ぜ続けることで、薄力粉にしっかりと火が通ります。火の通りが悪いと、粉っぽいクリームに仕上がってしまいます。

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6. 無塩バターとレモンの皮を加えます。

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7. 弱火にかけて混ぜ続け、バターがすべて溶けたら火を止めます。

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8. ボウルに移して冷まします。


オーブンを180°Cに予熱します

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タルトを焼きます
1.
生地を敷き込んだタルト型を天板に並べて、アーモンドクリームを等分に入れます。パレットナイフでざっくりと平らに広げます。
180℃のオーブン(2段の場合は下段)で、20分焼きます。

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2. 表面が綺麗なキツネ色の焼き目になれば焼き上がりです。
オーブンから取り出し、5分ほどそのまま置きます。

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3. 型から外し、網の上で冷まします。

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4. タルトが冷めたら、レモンクリームをスプーンまたは絞り出し袋で流します。冷蔵庫で冷やします。

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レモンクリームを流した状態で冷蔵庫で3日ほど日持ちします。


Q & A


Q. タルト生地に使う砂糖の違いは?

A. 生地を粉砂糖で作ると、キメの細かいタルトに仕上がります。生地が滑らかで伸ばしやすいので初心者の方におすすめです。グラニュー糖や上白糖で作ると、ザックリとした食感のタルトに仕上がります。リンゴのタルトなど素朴な食感に仕上げたい場合におすすめです。茶色系のお砂糖は味に主張があります。お好みで選んで作ってみてください。アーモンドクリームも同様です。

Q. タルト生地に強力粉と薄力粉を使うのはなぜ?

A. 強力粉と薄力粉は同じ小麦粉ですが、含まれるタンパク質の量が違います。
強力粉は硬く、薄力粉は柔らかい生地に仕上がります。タルト生地は薄力粉だけでも作れますが、強力粉を入れることでしっかりとしたタルトに焼き上がります。強力粉を入れた生地は、柔らかいフィンリングを流すお菓子におすすめです。強力粉、薄力粉、どちらかしかない場合はそれぞれ代用できます。


Q. タルト生地を伸ばすと時の打粉はなぜ強力粉なのですか? 薄力粉を打粉にしても良いですか?

A. 強力粉と薄力粉は粒子の細かさが違います。
強力粉は硬めの小麦を挽いたもので、粒子が粗めでサラサラしていて生地にくっつきにくいので、打粉に向いています。小麦粉は軟らかめ軟らかめの小麦を挽いたもので、粒が細かくしっとりとしています。強力粉に比べ、打粉にすると生地にくっつきやすいですが、強力粉がない場合は、薄力粉で代用しても問題ありません。

FURTHERS